ノースフェイス | THE NORTH FATH
ザ・ノース・フェイス | The North Face
展開:キャンプグッズからアウトドアウェアまで幅広く展開・総合ブランド
創業:1968年〜
国籍:アメリカ
”1968年サンフランシスコで誕生”
1968年にサンフランシスコで産声を上げたTHE NORTH FACE。ブランド名は当時から有名だったアルプス三大北壁を象徴として由来したと言われる。THE NORTH FACE社のロゴの右側のハーフドームが三つの壁をイメージしている。
当初は小さなメーカーだったが、まもなく発売したスリーピングバッグにより高い信頼を獲得するようになる。高品質なだけでなく、最低何度の気温まで快適に使用できるかという「最低温度規格表示」を明記したことが反響を呼ぶことになった。翌年発売した、ダウンパーカの原型ともいえるロングセラーモデル「シェラ・パーカ」でその存在を示す。
またその時代、ベトナム戦争が泥沼化し、物質文明中心の社会に嫌気がさした若者達が自然へ回帰していくカウンターカルチャーが隆盛を極め、バックパッキング・ブームが到来するという時代にもマッチし、アウトドアブランドとしての地位を確立して行くことになる。
1970年代初頭には、20世紀のレオナルド・ダヴィンチと称されるバックミンスター・フラーの提唱する、最小の面積と最大の容積と強度を生み出す「ジオデシックドーム理論」(大円上の2点間の最短距離からなる総三角形化)と「テンセグリティ理論」(真の構造は連続した張力が不連続な圧縮力を統合する相互作用〈シナジー〉からなる)に基づいたノースフェイスのエポック‐メーキング的な発明、世界初のドーム型テント「オーバルインテンション」を開発した。
このテントは1976年のイギリス・カナダ合同隊によるパタゴニア遠征時、暴風雪に遭遇した隊員の命を守ったことで一躍有名になり、その後テントの主流はドーム型に一変することになるほど大きな影響を残した。
「自然を模倣するのではなく、自然に存在する複数の原理感の相互作用を調整し、これまでにない新しい機能を引き出す」フラーが唱えた”デザインサイエンス”の理念は、幾人かの経営者に受け継がれ、いまもブランドの根底に息づいている。